「故郷へのオマージュ」
【序:母の手のひらにあった、あの味】
僕が小さな頃の記憶を辿ると、そこにはいつも「いきなり団子」がありました。 母が本当に大好きで、気がつけばいつも手に持っていた。僕にとってそれは、熊本の日常そのものであり、母の笑顔とセットになった温かな記憶です。 大人になり、パイという「包む」文化を仕事にした今、僕は改めてこの郷土料理の凄みに気づかされました。
【破:先人への敬意、そして疑問】
「サツマイモと餡子を、なぜ一緒に包もうと思ったんだろう?」 いきなり団子の由来は諸説ありますが、その組み合わせの妙には、同じ「包みもの」を扱う者として深い尊敬を抱かずにはいられません。 ホクホクのサツマイモと、優しい甘さの餡子。 この完成された「和」のハーモニーを、もしバター香るサクサクのパイ生地で包んだら……。 「間違いなく旨い」――その確信が、開発の原動力でした。
【転:行列が教えてくれた、使命感】
百貨店の催事場。僕らが出店する九州展や熊本フェアでは、いつもいきなり団子の店に長い行列ができています。 その光景を見るたびに、僕は嬉しくなると同時に、こう思いました。 「この熊本の味を、fealらしく、新しい形で次の世代や全国の人に伝えていきたい」 伝統へのオマージュとして、パイ専門店が本気で作る「いきなりパイ」。 それは、ただの模倣ではなく、熊本の魂をパイというドレスで着飾らせるような、挑戦の始まりでした。
【結:fealだけの、誇れる名前】
サクッとしたパイの食感の後にやってくる、サツマイモの力強い甘みと餡子のコク。 かつて母が食べていたあの味への想いを込めて、僕たちはこのパイを**「いきなりパイ」と名付けました。 これは、弊社の商標登録商品**でもあります。 熊本の歴史をリスペクトし、fealが責任を持って焼き上げる。 一切れのパイに込めた「故郷への愛」を、ぜひ一度味わってみてください。
どこにいても、自分に帰れる場所がある。
熊本で愛され続けてきた「いきなり団子」の素朴な温もりを、 サクサクのパイ生地というドレスで、大切に、誇らしく包みました。
どんなに遠くへ行っても、どんなに新しい世界を見ても、 変わらずに自分を支えてくれる「根っこ」のような存在。
ほっくりとした芋の甘みと、優しいあんバターの重なりは、 「おかえり」と背中をさすってくれるような、静かな希望の味です。
あなたの大切なひとときが、 故郷の陽だまりに包まれるような、 穏やかで優しい時間になりますように。
